ここ数週間学年度末の試験問題作成のために週末は外出せずに引きこもり、音楽とは程遠い作業ばかりしていますが、
先日、幸運なことになにがなんでもピアノに向かわなければならないという機会に恵まれました!
コンサート『音楽と舞踏 ~ タンゴ ~』への出演依頼。
本番はグランドピアノの設置が不可能なためにアップライトピアノでの演奏と告げられましたが、テーマに惹かれ仕事の依頼を引き受けることに。
前回のチャペルコンサートとは違い、今回は同僚のヴァイオリニストとチェリストとの演奏。
初合わせの時が実は初対面でしたが二人共自然体で気さく!そのお陰で、私よりもかなり年上なのにもかかわらず遠慮なく演奏に関する提案をさせて貰うことができました。
ちなみに、基本的にフランス人は初めて会う時も相手が同僚であれば年齢関係なく 『 TU (君) 』 という友達同士で使用する単語で相手を呼びます。日本人を多く知っているフランス人の中には私が躊躇せずにこの言葉を使用することに驚く人もいます。日本人らしさが欠けていてガサツだと思われているのでしょう、きっと…笑。たまに相手からは 『 VOUS (あなた) 』 と返されてしまうこともあり、「しまった…」と思うことがあります。なぜならこの場合は「あなたとは距離を置きたい」という意味が少なからず含まれているからです。
コンサート前半は生徒達の演奏、後半は私たちという構成でしたが、この演奏会の最大の特色は音楽に合わせせて踊る『ダンサー』がいること。そのため、この演奏会はホール内ではなくロビーで開催されました。本当は自由にダンスに参加してもよかったのですが、皆恥ずかしいのか、実際に踊っていたのは一組だけ…。それでも彼らのダンスは観客を魅了し、私も見たい衝動を抑えきれず自身の演奏中にもチラッチラッと…笑。
ダンサーとの共演を小さいうちから(楽器学習歴1年目の子も!)経験できるなんて羨ましいな~、と思いながら演奏しているとピアノの中から急に「ドンッ」という鈍い音がし、一瞬で音の響きに穴があいたような感覚に…。
その後、ピアソラの「オブリビオン」や「ブエノスアイレスの四季」などをどうにかペダルなしで成立させるために必死にならざるを得ず、会場の雰囲気を楽しむ余裕は全くありませんでした。
全体で40分という短いプログラムでしたが、色々な意味でとても貴重な経験をさせて頂きました。(と、前向きに締めくくらせていただきます。 笑)