公立音楽学校の試験は5月~6月に行われます。
各課程の最終年に在籍する生徒は必ず他音楽学校の教員で構成された試験官によって審査されるので、該当する生徒を受け持つ指導教員にとっては1年で最もストレスを抱える時期。
それはフォルマシオン・ミュジカル科も同様。私も去年の学年度末に試験官としてある音楽学校から依頼を受けました。
さて、今回の話題は『FMの試験問題はどのように作成されるのか』。
大まかに、二つの方法があります。
- 出来合いの試験問題を使用する。
- フォルマシオン・ミュジカル科の教員全員で作成する。
フランスには音楽学校が加盟できる「~連盟」「~連盟会」なるものが存在し、それぞれが毎年FMの試験問題と器楽の課題曲をレヴェル別に提供しています。
ピアノ学習歴4年目の試験課題曲例がこちら ↓
(左から年度、作品名、作曲者、出版社の順)
多くの音楽学校が加盟しているため、フランス全土の音楽学校のレヴェルの均一化には役立っていると思いますが…
フォルマシオン・ミュジカルの分野においては私は NON!!
なぜなら、《授業内容と試験内容の関係性をより強めたいから》。そう、とても単純で当たり前の理由からです 笑
各学年の学習項目はどの音楽学校においてもほとんど一緒なので「~連盟」によって作成された試験問題の大まかな内容は適切なのですが、細かい点では✖。難しすぎたり、深く考えられていない問題が多く目に付きます。
私がこれまで勤務していた公立の音楽学校ではこのような試験問題を《参考にする》ことはあっても《使用する》ことはありませんでした。試験問題を作成することはFM教員のとても大切な仕事でもあるのですが、問題作成には膨大な時間がかかることから、出来合いの試験問題を使用する先生が多いのも事実です。
さて、私の勤務している学校ではといういと、残念ながらある学校では「出来合いの試験問題」使用派が多い、というよりも、私だけが反対派という状況。
先日、各々が“作成した”問題を持ち合っての会議があったのですが、案の定納得のいかない試験問題の数々…。この件を学校長に直訴した結果、近々学校長主催のフォルマシオン・ミュジカル科の会議を開いてくださることになりました。
良い方向に進みますように…。
※ 記事最初のフランスの地図は「~連盟」に加盟している学校数(アソシエーション含む)を色別に表しています。
(白は加盟数0、色が濃くなるにつれて加盟数が増えていきます。一番濃い色は40校以上の加盟数。)