数年間勤めていた音楽学校を辞めました。
フランスでは良くあることです。特に若い先生は自分にとって良い学校、良い学校へとうつっていきます。何十年と同じ学校で勤務している先生はその土地に家を持ち、家族をもっている場合が多いのでは?今のところ私は通勤時間よりも「したいことが実現できる学校」を選んでいます。
ちなみにフランスで働き始めて驚いたことがあります。やめる際に生徒や保護者に前もって知らせない事が多々あること。ただし、生徒も保護者も先生が変わる事になんとも思わないようで、驚いている様子は見たことがありません。
私は前年度末に辞める意を校長に伝えました。そこまではスムーズ。問題は生徒達と保護者。
泣く生徒。納得できない保護者は校長に抗議するに至る騒ぎ。
ある程度予測はしていましたがまさかここまでになるとは…。私のFM&ピアノの生徒は他の先生のクラスでは合わなかったという子ばかりが集まっていました。年度末生徒達がコンセルヴァトワールに再登録する際に、他のクラスを避けて私のFMクラスを選んで授業日程を組んでいる事も問題になり、何故か私が校長に怒られました。(※ちなみに他の学校では生徒の希望が一人の先生に偏ることはありません!)
辞めた理由。
「“役割を終えた”と感じたこと」「目標を実現するため」そして、「いくら努力しても変えられないものがある」こと。三つ目に関しては諦めにちかく大分後ろ向きですが、フランスの良くも悪くも正社員が手厚く守られている事が関係しています。
何はともあれこれまで勤務した学校の中で一番私にとって必要な事を学ばせてくれた学校でした。他の学校では経験できないであろうことばかりだったし、何よりも純粋でまっすぐな子どもたちに出会えたこと。生徒達には見せませんでしたが実は私の方が泣きたいくらい辛い…笑
楽しみながら、でもしっかりと着実に音楽を学び続けて欲しい。どうか子どもたちにこれからも良い出会いがありますように。