フランスの「早期音楽教育」について

今日のパリは雨。

雨が降るときまってこの曲が私の頭の中で流れます。

 

 

Debussy : “Il pleure dans mon cœur”  (私の心に涙降る) 

 

学生の頃にFMの試験で歌った思い出の曲です。確か試験官の前で歌う前に、このPaul Verlaineの 詩に Gabriel Fauré が作曲したメロディーと比べて発表した記憶があります。

懐かしさを感じながら調べていると、、、Kodalyのピアノ作品の中にも。

 

 

Léo Ferré も。

 

https://www.youtube.com/watch?v=saE2h97JdgM

 

メロディーをFMの授業で扱う場合は「同じ詩からインスピレーションを受けた他の作曲家達の作品」を聴かせるようにしています。その場合は楽曲分析をして深く楽曲を学ばず、それぞれの作曲家が詩をどう「表現しているのか」違いをあげさせる、生徒の楽曲鑑賞経験を増やすというためだけでも、十分に価値がある学習だと私は思います。

 

ドビュッシーで終わろうと思っていたけど、だいぶ長くなってしまった…。(しかもコダーイの曲が頭から離れない。)

 

 

今日の本題「フランスの早期音楽教育」について。

 

このサイトを立ち上げて以来、音楽教育関係者の方からのお問い合わせの他に、小さいお子様を持つ親御さんから、下記のような内容の問い合わせを受けます。

 

 

「こどもに良い音楽教育を受けさせたい、と調べておりましたら、フランスで「フォルマシオン・ミュジカル」という音楽教育があることを知り、このサイトにたどり着きました。この教育は7歳からということですが、7歳より前のフランスの子どもたちはどのような音楽教育を受けていますか??」

 

 

簡単にですが説明させて頂きます。

 

コンセルヴァトワールでは7歳からFMと器楽レッスンが始まりますが、3歳児~6歳児向けに音楽覚醒クラス、音楽導入クラスなどがあります。そこでは様々な音楽を聴く、歌う、踊る、創る、という感覚的活動が中心に行われます。指導内容の大部分が「指導者に一任されている」と、同僚の話を聞いていて思います。学校によっては、舞踏科と音楽科の合同クラス(音楽&舞踏覚醒クラス)を設置し、それぞれの専門教員二人で協力し授業をしているところもあります。

これら幼児向けの授業では、フランスで【METHODES ACTIVES (メトード・アクティブ)】と呼ばれている教育法のDalcroze ダルクローズ、Willemsヴィレムズ、Martenot マルトノ、、、などが、採用されていることが多いのですが、どれか一つの教育法だけを使用して、というよりも、あらゆるメソッドを教師個人が研修を通して学び、自身の授業に使用する事が一般的です。

何か1つの楽器だけを用いての学習、例えば、鍵盤ハーモニカやリコーダーでクラス合奏をしたり、、、は、私はこれまでに見たことがありません。それよりも、この時期の学習は「色々な音に触れる」事が優先されるため、一般的に良く知られている楽器の他にも様々な楽器(民族楽器含む)が使用されます。

 

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オルフ音楽教育で使用《オルフ楽器》

 

 

 

 

 

 

次回は、今年になって複数のフランスのメディアで取り上げられた、ある幼稚園で行われている「音楽教育」について紹介したいと思います。


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