学年度末試験問題作成、ようやく終了!と思いきや…

公立音楽学校の試験は5月~6月に行われます。

各課程の最終年に在籍する生徒は必ず他音楽学校の教員で構成された試験官によって審査されるので、該当する生徒を受け持つ指導教員にとっては1年で最もストレスを抱える時期。

 

それはフォルマシオン・ミュジカル科も同様。私も去年の学年度末に試験官としてある音楽学校から依頼を受けました。

 

 

さて、今回の話題は『FMの試験問題はどのように作成されるのか』。

 

 

大まかに、二つの方法があります。

 

  1. 出来合いの試験問題を使用する。
  2. フォルマシオン・ミュジカル科の教員全員で作成する。

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150人分の…

新年あけましておめでとうございます!

 

毎年この季節には『日本に帰りたい』と心底思いますが、もうかれこれ10年以上日本でお正月を過ごしていません。さすがにそのような理由で仕事は休めませんし、なによりもフランスに戻った時の気持ちの切り替えが難しそうで…。

 

ということで、こちらはお正月気分ゼロのまま1月3日には学校で会議。

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フォルマシオン・ミュジカル授業参観を開催

あっという間に12月も2週目が過ぎ、1週間後にはクリスマス休みです!

 

……と書き出してからブログを更新する時間が無く、実は明日からヴァカンスです。

 

 

クリスマス休暇に入る前に今年こそは絶対にやっておきたかったことがあります。前々からやりたいと思いながらもなかなか実現できなかったこと、それは『フォルマシオン・ミュジカル科の授業参観』です。

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第32回 フォルマシオン・ミュジカル指導者学会を終えて

 

 

 

 

第32回 フォルマシオンミュジカル指導者学会 ③ の続きです。

学会全日程を終えパリに戻る電車の中で、参加した勉強会のことを思い出しながら同学会に参加していた我が恩師にメールを送信。その内容は大人気のアトリエの内容についての疑問、というかどちらかというと納得の出来なかった点の羅列。

この小娘は(年齢的な小娘という意味ではなくもちろん経験値においてです!)と思われていそうですが、そのアトリエに参加した先生方と意見を交わしても好意的な感想ばかりで納得がいかず、つい…。

 

 

このようにすべてにおいて満足したわけではありませんが、私にとって大切なのは勉強会で何を学んだか以上に、学会期間中に経験した事すべてが自身の指導について改めて考えさせられるきっかけになっている、ということかもしれません。

 

 

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学会の雰囲気はというと、堅苦しいものではなくお勉強の時間以外は皆リラックスモード。休憩時間はコーヒーを片手におしゃべりに夢中になり、次の勉強会開始時間ギリギリまで動かない人も。

5分前行動という考えはフランスには存在しないのでしょうか?笑 どちらにしてもうちなータイムの私には親しみやすい環境ではありますが。(もちろんフランス人にもちゃんとしている人はいますので、誤解のないように!)

昼食、時に夕食も共にし、音楽はもちろんのこと各々の職場での問題、生徒、ワインや料理の話まで話題が尽きることはありませんでした。初めて学会に参加したというある指導1年目の若い教師が「経験豊富な先生方やこの学会を仕切っている教授陣みんなとても話しやすいわ!」と驚いていました。実際、指導暦の長い先生方が初めて学会に参加している教師達に積極的に声を掛けるなど気を配っている様子を何度も目にしました。これも若い指導者が参加しやすい学会を心がけているからだと思います。

 

このように学びの場でもあると同時にFM教員同士の交流の場でもあるFM指導者学会。あらゆる面で批判されやすい立場にいるFM教員ですが、「生徒達により良い音楽基礎教育を」と同じ目標をもって奮闘している仲間がフランス全土から集まるこの学会はFMをフランスの音楽教育からなくさないために、今後の音楽基礎教育発展のためになくてはならないものとして捉えられています。

 

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第32回 フォルマシオン・ミュジカル指導者学会 ③

第32回 フォルマシオン・ミュジカル指導者学会 ② の続きです。

 

 

 

 

空き時間を利用してモンペリエの観光名所のひとつ、サン・ピエール大聖堂に訪れたときのこと。幸運なことにオルガンによる即興演奏のマスタークラスが開催されていました。

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Sergio Militello氏による マスタークラスの様子

 

初めて訪れる大聖堂でオルガン演奏が聴けるうえに、普段なかなか見ることのできないオルガンのマスタークラスを聴講できるなんて!と、その後は空き時間がある度に大聖堂へと出向いていました。

 

 

 

 

 

さて、学会の続きは最終日の朝に行われた『討論会』について。

『討論会』に参加するためにはまず希望するテーマを扱うグループに登録しなければいけません。参加者全員の発言が求められるのでここでも人数制限があり、一番人気のテーマ『FM授業内の専攻楽器使用』のグループは即満員となりました。

ちなみに私は『どのタイプの評価?』に登録。(このブログを立ち上げて以来常に思っていたことですが、フランス語を的確な日本語訳にするのが本当に難しい!)

 

各々が指導している音楽学校で採用している評価方法について紹介し、疑問点や問題点を指摘し合いながら意見交換をする75分の討論会。話題は評価方法から試験内容、ソルフェージュにまで及ぶなどテーマから外れる事も多々ありましたが、他校のFMの現状を知る上では大変貴重な時間でした。

 

 

 

 

※ 記事中の「FM」とはフォルマシオン・ミュジカル 「Formation Musicale」 の頭文字を並べた略語で、どちらかと言うと口頭では「FM」と言う方が一般的です。ちなみにフランス語では、単語の前に冠詞がつくので「La F.M.」 ラ・エフ・エム となります。音楽家同士では100パーセント通じるこの教科名も一般的にはまだ浸透していないようで、コンセルヴァトワールに通う子供たちやその親御さん達ですら「フォルマシオンミュジカル」ではなく、未だに「ソルフェージュ」と言っているのをよく耳にします。

 

第32回 フォルマシオン・ミュジカル指導者学会を終えて へ続く

第32回 フォルマシオン・ミュジカル指導者学会 ②

第32回 フォルマシオンミュジカル指導者学会 ① の続きです。

 

 

 

フォルマシオンミュジカル指導者学会二日目からは、あらゆる分野に関する【参加型研究会】が午前と午後の2回開催されます。

 

 

【参加型研究会】とは?

 

 

それはフランス語でAtelierアトリエと呼ばれるもので、各学習テーマ、メソッドに精通した指導者(FM指導者に限らず)が1時間半アトリエを受け持つのですが、アトリエ参加者のFM教員達は実際に生徒の立場になり、実践しながら指導方法や新しいメソッドに触れることができます。

 

今回は5~6歳児クラスの指導法、身体を使ったリズム学習のための新メソッド、イントネーション学習などが開催されていました。

 

3日間でFM指導者達は9つあるアトリエの中から希望するものを5つ登録できるのですが、各アトリエは定員数が決まっているため人気のアトリエは争奪戦となります。が、万が一受講したいアトリエに一登録できなかったとしても、今回開催されたすべてのアトリエの内容をまとめた報告書が後日配布されるので安心!

 

 

もちろん実際に体験した方が断然良いとわかっているからこそ皆さん必死なんですけどね…。

 

 

 

これら【参加型研究会 Atelier】以外の時間は、講演会や音楽関係施設の見学、コンサート、討論会などがプログラムに組み込まれているのですが、ここで音楽関係施設の見学から一つご紹介します。

 

 

中世の写本譜が所蔵されているモンペリエ大学医学部見学へ。

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ヨーロッパ最古の医学部

 

 

突然奏でられた音楽によって建物の中に導かれる私達。

 

 

建物の中でも引き続き演奏会が行われた後、見学の直前に行われた講演会を担当したモンペリエ大学の教授が保存されている写本譜について詳しく説明して下さいました。

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第32回 フォルマシオン・ミュジカル指導者学会 ③ へ続く。

 

 

 

※ 記事最初の写真はモンペリエ大学医学部建物中での演奏会の様子。

 

第32回 フォルマシオン・ミュジカル指導者学会 ①

フランスの公立学校は11月20日から2週間の秋休みに入りました。

 

私はヴァカンス初日、早朝電車で地方へと出発。

 

《第32回 フォルマシオン・ミュジカル指導者学会》 に参加してまいりました。

 

学会に参加する為に、毎年フランス全土からフォルマシオンミュジカル指導者が集います。地方や勤務するコンセルヴァトワールの異なる指導者同士が知り合い、情報交換ができるとても貴重な場所です。

 

開催地は毎年パリ(パリ近郊含む)と地方を交互に選ばれるのですが、なぜか2年連続で地方開催。今年ははパリから電車で4時間程のところにある南仏、モンペリエでの開催。

 

パリのどんよりとした曇り空とは打って変わって南仏らしい晴天!これから待ち構えている密度の濃いスケジュールを前にしばし観光客気分を満喫。

 

 

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コメディー広場 (正面建物はオペラ座、その手前が三美神の噴水)

 

 

今回の学会は【フォルマシオン・ミュジカル学科におけるさまざまな音楽美学】をテーマとし、講演会、あらゆる分野における参加型研究会に加え、会議、公開授業、生徒たちによるコンサート、オペラ座訪問、教育テーマ別グループ意見交換会、、、などがみっちりと組まれている4日間です。

 

 

1日目は本学会テーマに沿った講演会、FMクラスの生徒たちによるコンサートを鑑賞した後におつまみを食べながらのワイン試飲会、という流れ。

 

学会の内容に関係のないワイン試飲会を組み入れるところが、さすがフランス 笑。とても美味しいワインがあったのにも関わらず、帰りの荷物の重さを気にしてなにも購入しなかったことをとても後悔しています…。

 

 

さて、二日目から本格的に勉強会が始まるわけですが、続きは 《第32回 フォルマシオン・ミュジカル指導者学会 ②》 にて。

 

 

※ ページ最初の画像はFMクラスの生徒、サクソフォーンアンサンブル、ピアノ、ハープ、打楽器による映画をテーマとしたコンサートの模様。FMクラスの生徒は主に合唱団としての参加で、楽器演奏は上級課程の学生達によって編成されていました。このような学習レヴェルの異なる学生達によるコンサートを通じて、音楽教育初期段階の子供達は『本格的な生演奏との競演』を経験し、音楽的経験が豊かになるのだ、と改めて感じさせられました。なによりも、上級生の格好良い演奏は子供達にとって身近な目標にもなり得て、学ぶ上で最も大切なモチベーション向上に繋がる事は間違いないでしょう。

フランスの公立音楽学校の新学期

日本滞在約1ヶ月。

 

Assomption 《聖母の被昇天》というカトリックの祝日を含んだ3連休を利用してのピカルディー地方への小旅行を経て、

 

私はやっと重い腰を上げて2016-2017年度の新学期の準備に取り掛かることにします。

 

この機会に少しだけフランスの公立音楽学校の新学期について説明させて頂きます。

 

今年のフランスの公立学校の新学期は9月1日木曜日ですが、音楽学校の新学期は大体その2週間~3週間後。音楽学校によって異なります。

 

私の場合は今年度から3つの音楽学校で働くことになった為(意に反してそうなってしまった経緯はまた後日…)、3回新学期を迎えることになります。

 

新学期までの流れは学校によって様々ですが、大体の学校で新学期前に全教師対象の会議が行われます。そしてその翌週にはそれぞれの教師と保護者の面談が個別に組み込まれていますが、面談といっても長々とお話しするためのものではなく、器楽レッスンの曜日及び時間をこども達の学校の時間割や他の習い事の時間を考慮しながら決めるためのものです。

 

既におわかりのように、FM【フォルマシオン・ミュジカル】教師陣にとってこの面談が行われる週は小休止です。(その後1年間続くFM授業の準備を考えたらこの小休止は当然だわ!と思う私はフランス人の思考になってしまったのでしょうか…笑)

 

 

面談の週を終え、いよいよ子供達にとっての新学期が始まります。

 

 

※ 画像はフランス国民教育省から発表された地域別(A・B・C)の休暇と新学期の日程表。パリはCゾーン。来年2017年の夏休みは7月9日からなんて遅すぎる、とこれを見た(私を含む)多くの教員たちは不平不満を述べています。年間通して3ヶ月半のヴァカンスがありながら不満を言うなんて!とのお叱りの声が聞こえてきそうですね…。