沖縄から始まる音楽支援 ~ドルチェの会~


音楽教育は子どもの未来を救えるのか。

 

フランスには、「オーケストラ・デモス」という団体があり、フランス全土で音楽による子どもの支援が行われています。国や地方自治体、企業や個人からの寄付等によって成り立っています。指導者は音楽国家資格を所持し、きちんとお給料をもらって子どもたちの指導に当たっています。

 

「日本のどこかでこのような取り組みが行われているのか。」

 

まさか、こんなに近くにあるとは思いませんでした。

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【沖縄】2018フォルマシオン・ミュジカル講座が始まります!


台風は結局沖縄を直撃しませんでしたね。「休みになると思ったのに~!!」との声がちらほら聞こえてきます。

子どもたちはもう夏休みかな?昔は蝉の声と同じくらい聞こえていた子どもの声、私の近所ではほとんど聞かなくなりました。子どもたちが外で遊ぶことが減っているだけなのかも。幼少期、島草履をはいて近所のお兄ちゃん、お姉ちゃん達と走り回っていた頃の事を思い出しています。

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【東京】2018フォルマシオン・ミュジカル講座 全日程終了!


 

【フランスからフォルマシオン・ミュジカル便り】改め、今日から8月末まで【沖縄からフォルマシオン・ミュジカル便り】です。

一か月振りの記事となってしまいましたが、決して怠けていたわけではありません!その間私はFM講座の準備に集中しておりました。(言い訳…)

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ソルフェージュ改革から30年以上経ち ④

ソルフェージュ改革から30年以上経ち③の続き


フォルマシオン・ミュジカルのその後 ~ オデットの退官後 ~

コンセルヴァトワールで過ごした最後の数年間、オデットがすべてのエネルギーを注いだこの「FM教員育成クラス」は多くの喜びを与え、そして学生たちは自分に多くのものをもたらしてくれた、と良く言っていました。しかしながら、時が経ったとき、彼女は再び疑念に襲われることとなります。一部の指導者が、フォルマシオン・ミュジカルを間違った方向へ、特に、必要な技術的内容を取り去った形へと導き、FMが「道を見失った」状態を徐々に目の当たりにするようになるのです。

オデットにとって、これまでと同様に生徒たちに❝ソルフェージュ能力を養い続ける❞ことに何の疑いももっていませんでした。

フォルマシオン・ミュジカルのグループレッスンによって得られる幅広い知識により、生徒たちはソルフェージュと器楽との間にある関係を理解します。ソルフェージュをする。そうです。しかしそれは音楽の中で音楽と共にするのです。

フォルマシオン・ミュジカルは音楽についての絶え間ない考察と真の理解をもたらします。

【オデット・ガルテンローブオフィシャルサイト】より

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ソルフェージュ改革から30年以上経ち ③

ソルフェージュ改革から30年以上経ち②の続き

 


Formation Musicale 教員育成クラス(コンクール準備クラス)

オデットは、パリ国立高等音楽院に通うレベルの高い学生やプロを目指す学生しか教えておらず、そのより前の学習課程(県立や市立音楽学校で施されている課程)について詳細は知る機会がありませんでした。 「フォルマシオン・ミュジカル教員養成クラスの指導者」として任命された後、オデットは驚くべき早さでそれらすべてを自分のものにし、FM授業の準備をする学生に、その授業がどのレベルを対象としたものであっても、的確な指導します。

12人の学生たち。グループ一斉授業よりも、それぞれの良い点、改善すべき点を把握するために、一人一人との対話を大切にします。オデットは当時の事をこう振り返っています。

❝学生達とはよく学び、よく話をしました。それは温かく、友好的なものでした。この教員育成クラスをのために、私は多くの時間を費やし、出来る限りの事をし尽くし、その結果多大な満足感を得ました。私は生徒達と一緒に、多くの事を学んだのです。❞

オデットは、試験を受ける学生のために試験内容に沿った、非常に精密なプログラムを作成します。さて、当時のFM教員になるための試験とはどのようなものだったのでしょうか。

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ソルフェージュ改革から30年以上経ち ②

ソルフェージュ改革から30年以上経ち①の続き。


ソルフェージュ改革直後…

『フォルマシオン・ミュジカル教員養成クラスの指導者』。彼女の教育者としての最終段階であり、最も重要な仕事であることは間違いありません。。オデットは当時54歳。すでにピアニスト、作曲家としての輝かしい経歴を持ち、教育者としても音楽家としても素晴らしい評価を得ていました。しかし、安定に留まるのではなく、常に前進し、自分自身に問い続け、信念に従う彼女は、同僚達のこのような言葉にも動じることはありませんでした。

なぜすべての変えたがるのか?あなたが今否定しているソルフェージュ教育は、これまでに多くの素晴らしい音楽家たちを育てていることで、その効果を証明している。あなた自身もその事を証明している良い例ではないか!ソルフェージュが先、音楽は後ですればよい!❞

こどもたちが調和のとれた音楽教育を受けられるように、やっと具体的に行動できる!オデットは熱意と確信をもって、「学ぶ側となり」再出発します。多くの教育書や児童心理学の書籍を読み、その時彼女はモンテッソーリ教育に出会い、熱心に研究します。「Methode Active メトード・アクティヴ (積極的教育、能動的教育)」にも興味を示します。(メトード・アクティヴとは、ダルクローズ、マルトノ、オルフ、ヴィレムスのような偉大な教育者によって生み出された、音楽教育法のことをいう。)

なぜなら、1976年から、二つの異なる音楽指導ディプロム(伝統的ソルフェージュとメトード・アクティヴ)が統合され一つになり、フォルマシオン・ミュジカル指導ディプロムとなったからです。

Evéil (エヴェイユクラス 幼児対象クラス)のために、私は様々な教育法を知るべく、いくつもの研修を受けました。これらメトード・アクティヴの教育法は私を夢中にさせ、夫のベルナールとそのことについてよく話しました。私たちの娘パスカルが小さいころにこのような教育を受けさせてあげられなかったことを残念に思っていますし、同様に、私自身が幼少期にその教育を受けられなかったことを残念に思っています…。

これらの教育法の専門家に定期的に授業を依頼し、それぞれのメソッドの使用方法を理解した後、自身の生徒達にもこれらすべての教育法から、それぞれの重要点をまとめさせます。そして1980年初めに、一つの教育法のスペシャリストではなく、舞踏と音楽の関係や児童心理に関心を持ち、総合的な指導をしているHenriette Canac アンリエット・カナック(ピアニスト、FM指導者)の、様々な幼稚園で行なわれている授業に定期的に参加します。オデット・ガルテンローブとアンリエット・カナック、この二人の数年間続いた共同授業は、当時指導ディプロム取得を目指す学生たちにとって、非常に有益なものでした。

❝私は子どもの頃、ソルフェージュとピアノを同時に学び、6歳から10歳まで、舞踏のレッスンでリズム・ダルクローズを学びました。「音楽作品の中で音楽を学ぶ」ことは私にとって、まるで天からの贈り物でした。生徒たちには呼吸法、空間を使用した身体の動きの他にも、内的聴感の育成を指導していました。

真の音楽からもたらされるもの(=音楽作品の使用)、そして身体を自由にすること(=身体の動きを使用)は、ソルフェージュ教育を一新させ、フォルマシオン・ミュジカルの誕生を可能にしたのです。❞

~ アンリエット・カナック 第30回FM指導者学会にて ~

ソルフェージュ改革から30年以上経ち③に続く。

この記事は2017年発行の『Odette Gartenlaub (Jean-Michel Ferran)』、FM指導者協会発行紙掲載記事、実際のインタビュー音源、ガルテンローブのFM教員育成クラス出身者数名からの証言を抜粋しまとめたものです。

ソルフェージュ改革から30年以上経ち ①

ソルフェージュ改革から30年以上経ち

~ 改革前とその後、そしてフォルマシオン・ミュジカルの未来について ~

2014年10月にパリ地方で開催された「フォルマシオン・ミュジカル指導者学会」は特別なものでした。なぜなら、FM指導者協会設立30年目という節目の年であったから。そのことは、ソルフェージュ改革から30年以上経っていることを意味します。改革の中心人物であったOdette Gartenlaub (オデット・ガルテンローブ女史)の存在無しには、フォルマシオン・ミュジカルを語ることはできません。ですが残念なことに、学会開催の週数間前に彼女はこの世を去ってしまいます。病にも関わらず、この年の学会開催のための協力していたオデット。「音楽に対する情熱、新しい考えを後生に伝えたい」という想いの強さは、改革当時と変わっていないことに驚かされます。

第30回FM指導者学会には、フォルマシオン・ミュジカルの誕生に関わったオデットの協力者達も集い、彼らの証言と彼女の生前のインタビュー音声録音と共に、これまでの道のりを振り返ります。

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ピアノ科の進級試験審査員として

4月も中旬。そろそろあちらこちらのコンセルヴァトワールで進級試験が実施されます。

 

 

FMも器楽も、子どもたちは課程(第一~第三課程)の最終年(3年又は4年目)に、次の課程に進むための進級試験を受けます。進級試験の審査員は外部の指導者二人+開催学校の代表者(学校長)一人で構成されるため、4月~6月のこの時期は、コンセルヴァトワールで指導している先生は審査員としてあちらこちらの学校に出向きます。

 

私もさっそく審査員の依頼を受け、先日とあるパリ郊外の音楽学校へと出向きました。本年度第一回目はFMではなく、ピアノの試験審査員として。

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❝子どもの室内楽クラス❞のマスタークラス

コンセルヴァトワールに登録している子どもたちは第一課程(7歳)から、器楽の個人レッスン+合唱+フォルマシオン・ミュジカル(FM)を学習します。合唱は2年間(ピアノ専攻は6年間)、その後はアンサンブル(オーケストラ・室内楽)に参加できます。

 

 

 

 

先日、室内楽クラスに登録している子どもたちを対象とした《マスタークラス》が勤務先の学校で開催されました。通常私はFMの授業中なのですが、私の生徒にも勉強になるだろう(このあたりの判断は教師に一任されています。)と、急遽授業を取りやめ、生徒を引き連れて学校のホールへ。

※こういう時は、遅刻してくる生徒のために「NOUS SOMMES A L’AUDITORIUM 私たちはホールにいるよ。」と張り紙を教室ドアに貼るのを忘れません!

 

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