FM講座2019夏 第一楽章

7月15日~8月23日の間、東京、名古屋、福岡そして沖縄にて、指導者のためのフォルマシオン・ミュジカル講座を開催させて頂きました。フランスの新学期が本格的に始まる前に、今夏の講座を振り返りながらまとめ作業に入りたいと思います。



東京での開催は去年に引き続き二回目ですが、主催者の高田美佐子先生北井佳恵先生の多大なるご尽力のお陰で、今夏は名古屋での講座も含め、計10講座を実施させて頂きました。去年、土田京子先生が繋いでくださったご縁のお陰で、急遽開催が決まり日帰りだった福岡での講座。今年はオフィス・アルペジオ主催の今村由紀先生にご尽力いただき、5日間開催させて頂きました。お盆明けの開催となった沖縄では、リトル・テンポ主催の金城通子先生にお力添えを頂き、数日間の講座を滞りなく行うことができました。

講座前、講座期間中、そして講座終了後に至るまでの長い期間、皆様にさまざまな角度からご尽力頂いたお陰で、2019年の夏期FM講座を無事終了することができました。この場を借りて心から深く感謝申し上げます。

一言。幸せでした。フォルマシオン・ミュジカルに興味を持ってくださっている方、既に何年も継続してFMを学んでいらっしゃる方、初めましての大切な出会いと一年振りの嬉しい再会。すべてフォルマシオン・ミュジカルが繋いでくれた大切なご縁です。

「参加してよかった」と言って頂ける講座を実現するには?音楽専門教育においてFMの必要性を納得して頂くには?フォルマシオン・ミュジカルをより多くの人に取り入れてもらうには? 、、、みなさまの去年のアンケートの回答を何度も読み返しながら、考えを巡らせておりました。

今年のテーマは『こども』。
誰もが一度は耳にしたことがあるバレエ版《マ・メール・ロワ》から
❝紡ぎ車の踊り❞を用いてのFMレッスンを体験して頂きました。
母の手作りの❝金魚ちゃんお手玉❞。今年も各地で大活躍しました。

「今の子は忙しくてグループレッスンがなかなか開催できなくて、、、」

「個人レッスンでは時間が取れなくて、、、」

日本の生徒さんにもFMが必要。そのことに強く感じてくださっていても、なかなかFMを実際のレッスンに取り入れたくてもできない、との声が複数ありました。

講座でご紹介させて頂いているFM授業例は、実際にフランスで行われているFMであり、理想的なFMレッスンの形ではありますが、グループレッスンを毎週行う事が難しい日本では、同じようなFMの形を実践するのは難しいのかもしれません。

ピアノ曲を使用するときには、
出来る限りその他の器楽曲に結びつけ、
生徒さんの「聴く経験」を増やします。
他の楽器の曲を聴くこと(インプット)なしに、
その音色を想像する(アウトプット)ことはできません。
ピアノ演奏において様々な楽器の音色を
イメージして弾くためには
「聴く経験」は必要不可欠です。

グループレッスンじゃなくても、個人レッスンで行えるように、楽曲に含まれている課題を用いての短いアプローチならいかがでしょうか。 ここで、「身体の動き/音楽理論/聴き取り」を組み合わせた初級学習者向けアクティビティーの一例を。

  1. 学習楽曲が長調であれば、その曲を短調で聴かせ、違いを聴く。
  2. 短調/長調聴き取りを様々な楽曲を用いて(又は即興で)行う。「音楽に合わせて歩く=長調」「その場でとまって手を叩く=短調」。※レッスン室が狭い場合は、その場で足踏みでも良いと思います。動きをとりいれると聴くことへの集中力・能動的参加による学習意欲が増すだけでなく、従来座りっぱなしの器楽レッスンにめりはりが生れます。

ほんの少しだけ立ち止まって耳を澄ます時間を持つことで、学習者はその後 ❝音楽の色❞ を意識して演奏するようになるのではないでしょうか。

ラヴェルの《マ・メール・ロワ》から
「眠れる森の美女のパヴァーヌ」を用いてFM実践例を
体験して頂きました。特にFM第一課程初期では
「身体の動きを用いたアクティビティー」
が必要とされております。
子どもも大人もを笑顔にする魔法のアプローチ方法でもあります。

「え?これもFMですか?」「普段生徒たちと実践していることです!」そんな声が聞こえてきそうです。完璧な形のFMとは言えませんが、FMクラスの中で行われているアクティビティーの一つであり、なおかつ同僚の器楽指導者が、レッスン中によく行っているでもこともあります。

【総合的音楽基礎教育】であるFMでは、全ての項目(口頭/筆記、ソルフェージュ能力、音楽史、分析、音楽鑑賞等)の学習バランスが大切とされています(☝学習者の年齢を考慮して)。でも実は私も、初めの頃は恩師の「授業の一部分を受け持つ」ことから始めました。一部分でも改善点が多く見つかり(私の場合は、、💦)、当時はひどく落ち込んだものです。


理想的なFMの形へ、、、少しずつ、一歩ずつ。

【Le menu du jour 今日のメニュー】
と題して、前菜、メイン、デザート、と、講座内容を組み立てております。
(このメニュー形式がどうしてもやめられない私、、笑)
内容は、フランス音楽教育・FMの概要、FM授業体験(7才~10歳までの内容)、
FMレッスンレシピ表、フランス幼児音楽教育の紹介、
FMレッスン組立実践、FM授業ビデオ鑑賞等です。


講座とは関係のない写真がちらほら、、(笑)

※記事最初の写真は東京開催「こどものFM クラス」の様子。

FM講座2019夏 第二楽章へ続く⇒


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